ドメインを取り、WordPressを入れれば、サイトの形はできます。しかし、そこで止まると「何を書けばいいか」「どこまで準備したら公開してよいか」が決まらず、更新が途切れます。
個人メディアの立ち上げで先に決めたいのは、デザインではありません。誰の、どんな迷いを、どの情報で解決するかです。その軸が決まると、必要な記事、カテゴリ、固定ページ、公開後に見る数字がつながります。
この記事では、ひとりまたは少人数で無理なく続けるための手順を12段階に分けます。
1.メディアの目的を一文で決める
最初に「このサイトは誰に何を提供するか」を一文にします。
たとえばメディア実務なら、次のように表せます。
YouTube、ブログ、SNSをひとりで運営する人に、AIを使いながら人が確認する実務手順を届ける。
この一文は、立派な理念を作るためのものではありません。記事案を採用するか、断るかを判断する基準です。一文に入りきらないテーマは、立ち上げ時には広すぎる可能性があります。
2.読者を属性ではなく「困りごと」で定める
「30代男性」「個人事業主」だけでは、必要な記事は見えてきません。
読者設定では、次の3点を書き出します。
- 今どんな作業で止まっているか
- 何を自分で判断できずにいるか
- 読後に何ができれば解決といえるか
たとえば「WordPress初心者」より、「サイトを作ったが、最初の10記事とカテゴリを決められない人」のほうが、記事の内容を具体化できます。
3.扱う範囲と扱わない範囲を決める
立ち上げ直後にテーマを広げすぎると、記事同士の関係が弱くなります。反対に狭すぎると、数本で書くことがなくなります。
扱う範囲を3~6個の柱に分け、それぞれについて「含める話」と「今は扱わない話」を決めます。
メディア実務の例なら、AI編集部、動画、記事・SEO、SNS再編集、検証、ツールという柱があります。そこに新しく「メディア構築」を加える場合も、サーバー比較だけのサイトにはせず、設計・公開・運用へつなぐ範囲に限定します。
4.記事より先にカテゴリの役割を決める
カテゴリは、運営者の保管箱ではなく、読者が次の記事を探す案内板です。
カテゴリ名を見たときに、何が読めるか想像できるかを確かめます。「その他」「ノウハウ」のように範囲が広い名前は、記事が増えるほど中身が分かりにくくなります。
カテゴリ設計の詳しい考え方は、関連記事「記事カテゴリの決め方」で解説します。
5.最初の10記事を役割別に並べる
最初から100記事の計画は要りません。まず10記事を、次の役割に分けます。
- 全体像を説明する入口記事:1~2本
- 一つの作業を終えられる手順記事:4~5本
- 比較や判断を助ける記事:2~3本
- よくある失敗を防ぐ記事:1~2本
入口記事だけでは具体性が足りず、細かな手順記事だけではサイト全体を理解しにくくなります。役割を混ぜることで、初めて来た人と、すぐ作業したい人の両方に道筋を作れます。
6.ドメインとCMSは運用条件から選ぶ
ドメイン名は、読み間違いにくく、口頭でも伝えやすく、将来のテーマ変更に耐えられるかを見ます。
CMSは、記事数、更新担当者、広告や問い合わせの有無、バックアップ方法、保守に使える時間から決めます。WordPressは投稿と固定ページを分けて管理でき、固定ページはAbout、Contact、Privacy Policyなど時系列に左右されにくい情報に向いています。詳しくはWordPress公式のPages解説で確認できます。
7.公開前に必要な固定ページをそろえる
最低限、次のページを確認します。
- このサイトについて
- 運営者情報
- お問い合わせ
- プライバシーポリシー
- 広告やアフィリエイトを使う場合の開示
WordPressの標準文をそのまま公開するのではなく、実際に使っているアクセス解析、広告、問い合わせフォーム、外部サービスに合わせて書き換えます。
8.編集ルールを短く決める
記事が増えてから表記や確認方法をそろえるのは大変です。立ち上げ時に、少なくとも次を決めます。
- 一次資料を優先するテーマ
- 数字や制度情報に時点を書く方法
- AIが作った文章を誰が確認するか
- 引用と出典リンクの置き方
- 公開前チェックの担当と記録
詳しい工程は「AIで記事・動画を作る7工程チェックリスト」につなげられます。
9.トップページと内部リンクで入口を作る
トップページには、サイトの目的、扱うテーマ、初めて読む記事、運営者情報への導線を置きます。
記事本文では、ただ「関連記事」を並べるのではなく、読者の次の作業に合わせてリンクします。Googleも、利用者が内容を見つけやすい論理的なサイト構造と、内容が分かるURLを勧めています。ただし、構造を整えれば検索順位が約束されるわけではありません。基本的な考え方はGoogleのSEOスターターガイドで確認できます。
10.公開前に検索設定を確認する
制作中に検索エンジンへの表示を抑えていた場合、公開時に設定が残っていないか確認します。
あわせて、次を点検します。
- HTTPSで表示できる
- canonicalが公開URLを指している
- XMLサイトマップが取得できる
- 重要なページへトップページからたどれる
- 下書きやテストページが公開されていない
11.「公開ボタン」ではなく公開URLを確認する
編集画面で公開済みになっていても、作業は終わりではありません。実際の公開URLを開き、PCとスマートフォン幅で表示を確認します。
タイトル、見出し、画像、リンク、更新日、問い合わせ導線に加え、ログアウト状態でも読めるかを見ます。公開後確認の詳しい項目は「AIで記事を作っても公開完了ではない」で確認できます。
12.30日後に記事数ではなく詰まりを見る
立ち上げ後は、毎日数字を見て一喜一憂するより、30日程度で運用の詰まりを確認します。
- 下書きで止まる記事が多い
- 一つの記事に時間がかかりすぎる
- 読まれるテーマと書きたいテーマがずれている
- 記事から次のページへ進まれていない
- 古い情報を更新する担当が決まっていない
この結果をもとに、記事計画、カテゴリ、公開手順を少しずつ直します。
まとめ:サイトを作ることと、メディアを続けることは別
個人メディアの立ち上げで大切なのは、公開初日の完成度ではありません。誰に何を届けるか、どの順番で確認するか、公開後に何を直すかが決まっていることです。
ドメインやデザインを決める前に、目的、読者、記事の役割、編集ルールを一枚に整理する。そこからWordPressの設定と記事制作へ進むと、サイトが「作ったまま」で止まりにくくなります。

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